フランソワ・デコルシュモン/Francois Decorchemont
フランソワ・デコルシュモンは、1880年、フランスのコンシュ・アン・ウーシュに生まれる。彫刻家でパリ国立工芸学校の教師のルイ・エミール・デコルシュモンを父にもつ。1896年から1900年、同校で主に風景画を学ぶ。卒業後、実家に陶窯を建て陶芸を手掛ける。1902年からパート・ド・ヴェールの研究に没頭する。フランス美術家サロンへの出品作が3等賞を、翌年には2等賞を受賞。1911年には同サロンで1等賞を受賞した。
1905年までに、彼の制作はガラス素材に移行していく。当初の作品は光を取り込み、色彩豊かで薄手の半透明な器だった。花や昆虫といった自然をモチーフとした繊細な造形は継続したが、1912年頃より厚手で彫刻的な装飾を伴う作風へと展開していった。
彼は生涯にわたって技法の開発を研究しながら制作を続けた。彼の作品を最も特徴づけたのは独自に開発した素材「パット・ド・クリスタル」である。また、蝋型鋳造、二度焼き、表面の研磨など様々なテクニックを独創し、これらを駆使して非常にオリジナルな作品を多数残した。蝋型鋳造は、原型の蝋を溶かしてしまうので量産には向かないことから、一つの作品で10点程しか存在しないと言われており、一つ一つがとても貴重な作品である。
作品名:Coupe
サイズ:H5.5×D12cm(パート・ドゥ・ヴェール)
価格:600,000円