ジャスパー・ジョーンズ/Jasper Johns
ジャスパー・ジョーンズは、ネオ・ダダやポップ・アートの先駆者として知られる、アメリカの美術家です。
1930年、アメリカのジョージア州に生まれたジョーンズは、サウスカロライナ州立大学や商業美術学校などで美術を専攻していますが、在学期間は短く、実際にはほとんど独学でその分野を学んだといいます。2年間の兵役を終えてニューヨークへ戻った後、1954年にロバート・ラウシェンバーグ(1925〜2008)と出会い、彼と切磋琢磨しながら自らの芸術を模索していきました。1958年にはラウシェンバーグとともにその作品の価値を認められ、レオ・カステリ画廊で初めての個展を開催しました。ジョーンズは、蜜蝋と新聞紙を用いて制作した【旗】(1954〜1955)などを発表し、注目を集めます。誰もが知る身近なオブジェを改めてきちんと見つめること、本来アートにはならない主題がアートになりえるという問題に切りこんだこの作品は、彼の代表作となりました。そのほかにも、数字や標的、アルファベットなどの日常的なモチーフを扱い、鑑賞者をこれまでにない視覚体験へと誘いました。1960年代に入ると、様々なオブジェやコップ、物差し、ほうきなどを画面に貼りつけ、二次元と三次元を行き来するような造形を創出し、1970年代には敷石や斜線などのパターン化された模様を画面いっぱいに描き出すなど、新たな試みを次々と実践していきました。
そして1980年代以降の関心は、古典作品を引用した具象的なモチーフへと移行します。その集大成とも言えるのが、自伝的要素の強い「四季」シリーズです。アメリカの同世代の作家から後進の作家、さらにはヨーロッパ、日本の芸術家たちにまで広く影響を及ぼしたジョーンズは、現代美術を牽引してきた巨匠の一人と言えるでしょう。
作品名:UNTITLED
サイズ:24×23.5cm(1977年 シルクスクリーン ed.3000)
価格:SOLD OUT