バカラ/Baccarat
バカラはクリスタルの代名詞とも言われる、18世紀半ばにフランスで生まれたガラスメーカーです。高い透明度と繊細なカット、緻密なバランスによって王者の重厚感すら漂わせる作品の輝きは、人々の日常を特別なものへと変え、時代と場所を超えて愛されてきました。
1764年、戦争で衰えた経済を復興するため、ルイ15世の勅許を得て、ロレーヌ地方にあるバカラ村にガラスの製造工場が創設されることになりました。これが、バカラの始まりです。倒産や買収の危機に何度もさらされつつも工場は発展を遂げ、1855年の第2回パリ万国博覧会で金賞を獲得して以降、その名を世界に広めていきました。初期には当時主流だったボヘミアンスタイルの技術が取り入れられており、その後はヨーロッパの往年の名作にも意匠を得たほか、20世紀の初め頃は香水瓶やペーパーウェイトを生産するなど、時代の流行や変遷に対して常に鋭く、柔軟なアプローチを図りました。中でも、「アルクール」をはじめとするテーブルグラスの定評は高く、他の追随を許しません。
250年に及ぶ歴史の中で継承され、磨きあげられてきた技術を、成形から完成に至るまで細やかに駆使し、クリスタルが持つ無限の可能性と至高の美しさを今なお創造し続けています。
作品名:ディアデム デカンタ
サイズ:H45cm(Haute Couture Collection 2021 ed.18)
価格:ASK