ザオ・ウーキー/Zao Wou-Ki
ザオ・ウーキー(趙無極)は、詩的な情緒に富んだ「抒情的抽象」の系譜に連ねられる抽象画家です。
1921年に北京の名門の家系に生まれたウーキーは、杭州の国立美術学校で東西の美術について学び、卒業後は杭州美術研究所の教授を務めていました。しかし、形骸化していく国内の画壇に不満を覚えると、1948年に新天地を求めてパリへ移住します。クレー(1879〜1940)の絵画や、当時のパリで胎動しつつあったアンフォルメルなど、さまざまな美術と出会い貪欲に吸収していったウーキーは、やがて独自の画境を切り拓いていきました。
中国の水墨画にルーツを持ち、風景や自然に材をとりながらも、そこから呼び起こされる感情や内的世界を自在な筆致と豊かな色彩で描き出した一連の作品には、まさに東洋と西洋の美意識が結晶していると言えます。1964年、ウーキーは自身の最大の支持者であるアンドレ・マルロー(1901〜1976)の助力によりフランス国籍を取得し、以降、パリを中心に国際的な活躍を続けました。日本にもしばしば足を運び、1994年には「高松宮殿下記念世界文化賞」を受賞しています。
作品名:Hommage a Nobutaka Shikanai
サイズ:60cm×46cm(イメージ)
価格:SOLD OUT