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クリスト・クッツェー/Christo Coetzee

クリスト・クッツェー(1929~2000)は、南アフリカ共和国出身の芸術家です。主に、非芸術的な既製品や素材を寄せ集めて作品化するアッサンブラージュの作家として知られ、1950年代から1960年代のヨーロッパや日本で巻き起こった前衛芸術運動にも密接に関わっていました。

ヨハネスブルクに生まれたクッツェーは、パークタウン男子高等学校で芸術に目覚め、1946年から1950年にかけて在籍したウィトワーテルスランド大学では、演劇の舞台装置や衣装などをデザインしていました。大学を卒業した年に初めての個展を開き、1951年からはロンドンのスレード美術学校で写実主義の画家、ウィリアム・コールドストリーム(1908~1987)のもとで学びました。一時はヨハネスブルクに帰国して鉄道会社などに勤めるものの、ほどなくしてロンドンに戻り、自身の作品を評価してくれる人々の後押しのもとで初の海外個展を実現させ、徐々にその才能を認められていきます。1956年以降は、イタリア、パリ、日本、スペインと各国を飛び回り、名だたる芸術家や評論家たちと出会いました。とりわけ、パリでジョルジュ・マチュー(1921~2012)を通じて知り合ったミシェル・タピエ(1909~1987)からは、アンフォルメルの影響を大いに受けています。また、タピエによってその存在を知らされていた「具体美術協会(以下、具体)」との、1959年から1960年にかけての交流も注目に値します。クッツェーは日本に到着するやいなや、「具体」のリーダーである吉原治良(1905~1972)と対面していますが、山崎つる子(1925~2019)の回想によると、「具体」の作品を実際に目の当たりにしたことが大阪に滞在する決め手となったそうです。吉原の家で暮らしていたクッツェーが、お世話になったお礼として、英語を週に一度「具体」の会員たちに教えていたという興味深いエピソードも残っています。1960年には、タピエと吉原が共同で企画し高島屋の屋上で開催した「国際スカイフェスティバル」に招待出品し、さらに雑誌『英語青年』(1959年7月号)の消息欄によれば、クッツェーと吉原が京都の英国文化振興会で「パリのアンフォルメルと大阪の具体」と題した講演会を開いていたことが記録されており、その関係の深さが窺われます。雑誌『ふらんす』(1961年4月号)では、「異色作家クッシアCoetzeeが、アンフォルメルInformelグループの本拠スタドレル画廊 Galerie Stadlerで2回目の個展を開いた」と言及されています。彼の作風についても、画面に無数のピンポン玉や枯れた木の根を貼りつけ、さらには自転車までぶらさげてしまうなど「変わった試みをするので有名である」と評される一方、バロック的な激しさのなかに表現の統一性があるとも指摘されています。

クッツェーは、自身の画業が新たな局面に入った1975年頃、故郷で開催した個展において、自身の作品をずたずたに切り裂き、そうした行為を「具体の行為(Gutai act)」と呼びました。このことから、「具体」というグループやその功績を考えるうえでも見逃せない作家の一人であると言えるでしょう。

クリスト・クッツェー/Christo Coetzee

クリスト・クッツェー/Christo Coetzee

クリスト・クッツェー/Christo Coetzee

クリスト・クッツェー/Christo Coetzee

作品名:作品

サイズ:39×27cm(1959年 紙にコラージュ)

価格:300,000円

価格は税抜き表示です

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