元永 定正/Motonaga Sadamasa
元永定正は、もともとは漫画家を志し、雑誌等に漫画の連載などを受け持つこともあったという。後に同郷の濱邊萬吉に師事し、本格的な油彩画を開始する。
抽象画家に転向後、吉原治良に認められ、具体美術協会に入会。前例のない絵本づくりを志しながら、協会所属の16年間を中心メンバーとして活躍する。
日本画の「たらし込み技法」にヒントを得、キャンバス上に絵の具を流した流動感のある絵や、色をつけた水を透明な袋に入れ吊るした作品など、自然現象を表現した作品を数々発表し注目を集めた。
後期は作品名に擬音語や擬態語を取り入れ、どこかコミカルで遊び心が溢れる抽象画を発表。絵本も数多く手がけ、創作の原点である自然の色や形を連想させる、観るものの心を和ませてくれる作品ばかりである。
作品名:無題
サイズ:12×9.5cm(1973年 板にマウントしたキャンバスにアクリル)
価格:ASK